食品添加物

ゼラチンアレルギーはワクチンが原因?症状とアレルギー表示

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食品、医薬品、化粧品、サプリなど、さまざまな用途で使用されているゼラチン。

食用としてはナポレオンの時代から食されており、現在でもフランス料理やお菓子作りに欠かせない素材です。

また、肌が若返る、血管が丈夫になる、膝の痛みに効くなど、ゼラチンの美容・健康への効果もよく言われています。

そのため、ゼラチンを含むサプリや化粧品を、日常的に使用している方も多いでしょう。

そんな身近な素材であるゼラチンですが、実は食物アレルギー表示が推奨されている物質でもあるんです。

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ゼラチンアレルギーの原因

ゼラチンは古くから食されていますが、ゼラチンを食べることでアレルギーが引き起こされることはありませんでした。

そのため、ゼラチンはアレルギー物質ではないと考えられていましたが、1994年からゼラチンによるアナフィラキシー症状を示す患者が増加。

その原因は、ゼラチンを含むワクチンを接種したことによるものでした。

百万人あたりの患者数は、麻疹ワクチンで6.84例、風疹ワクチンで7.31例、おたふく風邪ワクチンで4.36例、水痘ワクチンで10.3例。

少ない確率ではありますが、ゼラチンに対するIgE抗体が見つかったことから、原因物質がワクチンに含まれるゼラチンであることが判明しました。

しかし、1993年以前にはほとんど報告されておらず、しかも日本だけでの出来事。

その原因は、3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)の接種年齢が引き下げられたことにあると考えられています。

1989年、それまで2歳児に接種していた3種混合ワクチンが、3ヶ月~24ヶ月齢での接種に前倒しされました。

非常に幼い子どもの体にゼラチンが直接入ってきたことでIgE抗体が作られ、その後に接種したゼラチン含有ワクチンでアレルギー反応が引き起こされたと考えられているのです。

これを受けて当時の厚生省は、1996年までに3種混合ワクチンの成分からゼラチンを除外。

その後はワクチン接種後にゼラチンアレルギーを発症する患者が報告されていないことから、当時の3種混合ワクチン接種が原因であった可能性は非常に高いと考えられます。

経口摂取でアレルギーが感作されることは稀

ゼラチンを食べることで、ゼラチンアレルギーが感作されることはほとんどありません。

口から入ったゼラチンは、胃腸で分解されて吸収されていきます。

ペプシンやトリプシンなど、タンパク質を分解する消化酵素の働きによって、ゼラチンの抗原性が失われるためです。

ワクチンの場合はそのような経路を通り越していきなり体内に入ってきますので、抗体が作られやすいのでしょう。

私は1984年生まれですが、子供の頃は食物アレルギーなど聞いたことがありませんでした。

しかしわたしの息子世代になると、アレルギーが一つもないという子供の方が少ないのではないかと思うぐらい、何かしらアレルギーを持つ子供が多いように感じます。

もちろんすべてがワクチンのせいだとは言いませんし、ワクチンによって受ける恩恵も多いでしょう。

ただ、「国が安全だと言っているから」、「周りがみんな打っているから」という理由だけで、盲目にワクチンを接種するのは危険。

ワクチンを接種する前に、自分でよく調べて、リスクとメリットを比較した上で判断することが大切ですね。

ゼラチンアレルギーの症状

ゼラチンアレルギーの症状は、口の周りのかゆみ、蕁麻疹、発赤など。

稀にぐったりしたり、呼吸困難になったりするアナフィラキシー反応の例も報告されているそうです。

藤田医科大学総合アレルギーセンターが作成している『ひやりはっと事例集』には、実際に起こったゼラチンアレルギーの事例が掲載されています。

引用:ひやりはっと事例集2022

粉ゼラチンを使って調理されたようかんを食べて、咳や蕁麻疹が出たとのこと。

大事には至らなかったようですが、楽しいキャンプでこれは本人も周りもつらいですね。

ゼラチンは色んな食品に使われていますし、卵や小麦と違って、ゼラチンがアレルゲンであると認識している人はほとんどいないでしょう。

情報共有がうまくできていなかったからと言って、スタッフ側の責任にするのはちょっと違う気がします。

ゼラチンのアレルギー表示

日本では、2001年にアレルギー表示制度ができました。

その際に、ゼラチンは「特定原材料に準ずるもの」として、可能な限り表示するよう努めるものと定められました。

「特定原材料」とは、アレルギーの発症数が多く、症状が重篤な物質のことで、こちらは表示が「義務」です。

2022年現在、特定原材料として指定されているのは、小麦、そば、卵、乳、落花生、えび、かにの7品目。

2025年からはくるみも特定原材料となり、アレルギー表示が義務化されます。

「特定原材料に準ずるもの」とは、特定原材料と比べると少ないものの、症例が一定数報告されている物質。

2022年現在では、ゼラチンを含む21品目が指定されていますが、こちらは表示が義務ではなく「推奨」です。

そのため、表示しなくても違反にはなりませんが、「えび」と「かに」も当初は特定原材料に準ずるものでした。

くるみも2022年時点では特定原材料に準ずるものとされていますが、アレルギーを発症する患者が急増したため、2025年から特定原材料にするように見直されたのです。

アレルギーがある方にとっては、症例数が多い少ないは関係ありません。

少しでも可能性があるのであれば、最初から「義務」でいいのではないかと思います。

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