園芸用語解説『有機態窒素』
ガーデニング入門者
園芸の用語『有機態窒素』について教えてください。
ガーデニング研究家
有機態窒素とは、微生物の作用をうけて、アンモニア態または硝酸態になってから作物に吸収される窒素化合物を指します。
ガーデニング入門者
石灰窒素や尿素は、有機態窒素の例ですか?
ガーデニング研究家
はい、その通りです。石灰窒素と尿素は、どちらも有機態窒素の一種です。
有機態窒素とは。
複雑な窒素化合物である有機態窒素は、微生物が分解することでアンモニア態または硝酸態に変換され、作物が利用しやすい形になります。有機態窒素の例としては、石灰窒素や尿素があります。
有機態窒素の役割
有機態窒素とは、生物由来の窒素化合物のことです。植物がタンパク質やアミノ酸を合成するのに必要な栄養素です。
有機態窒素は、土壌中の微生物によって分解され、植物が利用できる無機態窒素になります。無機態窒素は、硝酸イオンとアンモニウムイオンの2種類があり、硝酸イオンは根から吸収され、アンモニウムイオンは葉から吸収されます。
有機態窒素は、土壌の肥沃度を維持するために重要です。有機態窒素を多く含む土壌は、微生物が活発に活動し、分解によって無機態窒素が供給されるため、植物の生育に適しています。有機態窒素はまた、土壌の保水性を高め、土壌侵食を防ぐ働きもあります。
有機態窒素の例
有機態窒素とは、動植物の遺体やその分解物、有機肥料などに含まれる窒素のことです。有機態窒素は、微生物によって分解されて無機態窒素に変化しますが、無機態窒素に比べて、分解がゆっくりと進むため、植物が窒素を吸収しやすくなります。
有機態窒素の例としては、油かす、鶏糞、牛糞、堆肥、バーク堆肥、魚粉、骨粉、草木灰などがあります。これらの有機物は、土壌に鋤き込まれると、微生物によって分解されて無機態窒素に変化します。無機態窒素は、植物が窒素を吸収しやすくするため、植物の生育を促進する効果があります。
有機態窒素の施用方法
有機態窒素は、植物が利用しやすい窒素源であり、土壌の保水性や通気性を向上させる効果があります。また、有機態窒素はゆっくりと分解されるため、植物が窒素を必要とする時期に合わせて効果を発揮します。
有機態窒素を施用する方法は、主に3つあります。1つ目は、堆肥やたい肥など、有機物を土壌にすき込む方法です。2つ目は、鶏糞や牛糞などの動物性肥料を撒く方法です。3つ目は、市販の有機態窒素肥料を施用する方法です。
堆肥やたい肥は、有機態窒素を多く含むため、土壌改良に効果的です。また、鶏糞や牛糞などの動物性肥料は、有機態窒素を多く含むだけでなく、リンやカリなどの他の栄養素も含まれているため、植物の生育を促進させる効果があります。市販の有機態窒素肥料は、粒状や液状など、さまざまな形態で販売されています。使用方法は、製品に記載されている指示に従ってください。
有機態窒素を施用するタイミングは、植物の種類や生育ステージによって異なります。一般的に、植物の生育期には、1ヵ月に1回程度、有機態窒素を施用します。ただし、窒素を好む植物は、より頻繁に有機態窒素を施用する必要があります。
有機態窒素を施用する量は、土壌の肥沃度や植物の種類、生育ステージによって異なります。一般的に、1平方メートルあたり100~200gの有機態窒素を施用します。ただし、窒素を好む植物は、より多くの有機態窒素を施用する必要があります。また、土壌が肥沃な場合は、有機態窒素を施用する量を減らすことができます。
有機態窒素のメリットとデメリット
有機態窒素はその名のとおり、動植物の遺骸やその一部が微生物によって分解された物質であり、植物の生育に必要な窒素を多く含んでいます。有機態窒素のメリットは、まず、持続的に窒素を供給できる点です。有機態窒素は、微生物によって少しずつ分解されていくため、長期間にわたって植物に窒素を供給することができます。また、有機態窒素は、土壌を改良する効果もあります。有機態窒素を施用すると、土壌に含まれる微生物が増加し、土壌が団粒化して保水性や通気性が向上します。
一方、有機態窒素のデメリットは、まず、即効性がない点です。有機態窒素は、微生物によって分解されてからでないと植物に吸収されないため、即効性はありません。また、有機態窒素は、施用量が多すぎると、土壌を酸性化させることがあります。