被覆肥料とは？効果と種類を解説

被覆肥料とは？効果と種類を解説

被覆肥料とは何か

被覆肥料とは、肥料の周囲をコーティング剤で覆った肥料のことです。コーティング剤には、天然由来のものと合成由来のものがあり、肥料の形状・大きさ・コーティング剤の種類によって、様々な被覆肥料が作られています。

被覆肥料は、通常の肥料に比べて、肥料成分の溶出が緩やかで、長い期間にわたって効くという特徴があります。そのため、追肥の手間が省け、肥料の無駄を減らすことができます。また、肥料成分が土壌に蓄積されにくく、環境への負荷も軽減できます。

被覆肥料の種類

被覆肥料の種類

被覆肥料には、様々な種類があります。そのうち最も一般的なのは、硝酸アンモニウムと炭酸カルシウムで被覆された尿素肥料です。尿素は、窒素を多く含む肥料ですが、水分に溶けやすいという性質があります。その為、被覆することで水分に溶けにくくなり、肥料の効果を長期間持続させることができます。

もう一つの一般的な被覆肥料は、硫酸アンモニウムで被覆されたリン酸肥料です。リン酸肥料は、リンを多く含む肥料ですが、鉄やアルミニウムと結合しやすく、土壌中で固定されやすいという性質があります。被覆することで、リン酸肥料が土壌中で固定されるのを防ぎ、植物がリンを吸収しやすくすることができます。

被覆肥料には、緩効性、即効性などの種類があります。緩効性被覆肥料は、肥料の効果を長期間持続させることができます。即効性被覆肥料は、肥料の効果をすぐに現すことができます。

被覆肥料を選ぶ際には、作物の種類や土壌の性質、施肥時期などを考慮する必要があります。また、被覆肥料は、通常の肥料よりも高価であるため、コストパフォーマンスを考慮することも重要です。

被覆肥料の効果

被覆肥料の効果

被覆肥料は肥料成分がゆっくりと放出されるので、肥料切れを防ぐことができます。これにより、植物の生育を安定させ、収量や品質の向上を図ることができます。また、被覆肥料は肥料成分が流亡しにくいため、環境にも優しいという特徴があります。

被覆肥料は、植物の種類や生育ステージに合わせて、さまざまな種類があります。例えば、リン酸肥料は、根の育成に効果があるため、植物の初期生育に適しています。カリウム肥料は、茎や葉の成長を促進するため、植物の中期生育に適しています。窒素肥料は、葉の成長を促進するため、植物の後半期の生育に適しています。

被覆肥料は、肥料成分がゆっくりと放出されるので、肥料の回数が少なくて済むというメリットがあります。これにより、労力やコストを削減することができます。

被覆肥料の使用方法

被覆肥料の使用方法

被覆肥料は、その性質上、まくだけでよく、特別な使用方法はありません。但し、被覆肥料は、被覆材が溶けて効き始めるまで時間がかかるため、遅効性肥料として扱われます。また、被覆材が溶けて効き始めると、その効果が長続きするため、元肥として使用されることが多いです。被覆肥料を元肥として使用する場合、種まきや苗植えの2週間前までにまくのが一般的です。まいた後は、土とよく混ぜてください。被覆肥料は、水に溶けにくい性質があるため、水やりをしても流されにくく、均一に効きます。また、被覆材が徐々に溶けて効くため、追肥の必要が少なく、手間が省けます。

被覆肥料の注意点

被覆肥料の注意点

被覆肥料は、その性質上、施用方法や使用量に注意が必要です。

まず、被覆肥料は、他の肥料よりもゆっくりと効くため、元肥として使用することが適しています。 追肥として使用すると、肥料焼けを起こす可能性があります。

また、被覆肥料は、水に溶けにくい性質があるため、水はけの悪い土壌では使用を避けたほうがよいでしょう。水はけが悪いと、肥料が溶けずに土壌に残り、根を傷めることがあります。

さらに、被覆肥料は、他の肥料よりも高価なため、使用量には注意が必要です。必要以上に多く使用すると、肥料焼けを起こす可能性があります。

被覆肥料を使用する際は、これらの注意点を守り、適切に使用することが大切です。