園芸用語『乳剤』
乳剤とは、水と油を混ぜて作られた液体のことです。水と油は本来混ざり合わない性質がありますが、乳化剤を加えることで混ざり合うようになります。乳化剤は、水と油の表面張力を下げて、互いに混ざりやすくする働きがあります。乳剤は、水の中に油を分散させた「油分散乳剤」と、油の中に水を分散させた「水分散乳剤」の2種類に分類されます。園芸の世界で使用される乳剤は、いずれも油分散乳剤です。乳剤は、水に比べて油に溶ける薬剤を分散させるのに適しています。例えば、殺虫剤や殺菌剤の中には、水に溶けにくいものがあります。このような薬剤を水で希釈して散布すると、薬剤が水に溶けずに固まってしまい、散布の効果が得られません。そこで、乳剤を使用することで、薬剤を水に分散させて均一に散布することができるのです。また、乳剤は水に比べて粘度が高いため、葉や茎に付着しやすく、薬剤の効果が持続することが特徴です。