園芸におけるF1とは？雑種強勢と遺伝法則
ガーデニング入門者
『Ｆ1』って、園芸の用語で使われてるらしいんですけど、どういう意味なんですか？
ガーデニング研究家
『Ｆ1』とは、固定した形質を持った２品種を親として交配した雑種第一代目の品種のことだよ。雑種強勢の遺伝法則から親品種に比べて生育がよく、形質も優れているんだ。
ガーデニング入門者
へえ～、じゃあＦ１ってすごくいい品種なんですか？
ガーデニング研究家
そうなんだけど、種をまいても、次の世代は同じ形質はそろわず、品質も低下してしまうんだ。
Ｆ1とは。
F1とは、2つの固定した形質を持つ親品種を交配して得られる雑種第一世代の品種のことです。雑種強勢の遺伝法則により、親品種よりも生育が良く、形質も優れています。ただし、その種を蒔いても、次の世代では同じ形質がそろわず、品質も低下します。
園芸におけるF1とは？
園芸において、「F1」とは、遺伝的に異なる2つの個体を交配させて作られた、第一世代の雑種のことを指します。雑種強勢（ヘテロシス）と呼ばれる現象により、F1は親よりも望ましい形質を示すことが多く、園芸においては優良な品種として重宝されています。
F1は、植物の成長や収量、品質を高めるために、異なる品種や系統をかけあわせて作られます。例えば、トマトの場合、病気に強く、果実のサイズや形が良いF1品種が数多く開発されています。また、花卉では、花色や香りの良いF1品種が人気です。
F1は、遺伝的に均一であるため、種を蒔けば親と同じ形質の植物が育つのが特徴です。これは、園芸家にとって大きなメリットであり、安定した品質の植物を育てることができます。また、F1は、病害虫に強く、栽培しやすいという特徴もあります。
雑種強勢とは？
園芸におけるF1とは？雑種強勢と遺伝法則
雑種強勢とは？
雑種強勢とは、異なる遺伝子を持つ2つの異なる品種を交配したときに、両親よりも優れた性質が現れる現象のことです。雑種強勢は、ヘテロシスとも呼ばれます。ヘテロシスとは、ギリシャ語の「ヘテロス（異なる）」と「シス（状態）」を組み合わせた言葉で、異なる遺伝子を持った個体が交配することで、両親よりも優れた性質が現れる状態を意味します。雑種強勢は、植物だけでなく、動物でも見られる現象です。雑種強勢は、園芸においては、より大きな花や果実、より強い耐病性、より多くの収量など、望ましい形質を持つ植物を生産するために利用されています。
遺伝法則とは？
遺伝法則とは、生物がどのような形質を発現するかを説明しようとする理論のことです。遺伝法則は、メンデルのパラメータ、遺伝子型、表現型、優性、劣性、交配の法則など、さまざまな概念や原則によって構成されています。
メンデルのパラメータとは、1865年にオーストリアの僧侶グレゴール・メンデルによって提唱された、遺伝形式の基礎となる仮説のことです。メンデルのパラメータによると、遺伝形式は、親生物から子生物へと受け継がれる形質を決定する因子（遺伝子）によって決定され、遺伝子は親生物から1つずつを受け継ぎます。
遺伝子型とは、個体が持っている遺伝子の組み合わせのことです。遺伝子型は、遺伝子の2つのコピー、つまりアリルによって決定されます。アリルとは、遺伝子の異なる形態のことです。
表現型とは、個体の観察可能な形質のことです。表現型は、遺伝子型と環境要因によって決定されます。
優性とは、遺伝子の一方のアリルが、もう一方のアリルを表現型に影響を与える力を超えて発現することです。
劣性とは、遺伝子の一方のアリルが、もう一方のアリルに表現型に影響を与える力を超えて発現できないことのことです。
交配の法則とは、異なる遺伝子型を持つ生物を交配させたときの遺伝子型の組み合わせの確率を説明する法則のことです。交配の法則には、優性の法則、分離の法則、独立の法則などがあります。
F1の利点と欠点
F1は、2つの異なる品種の植物の交配によって作られた植物のことです。F1の親となる品種には、異なる遺伝的特性が備わっており、それらの遺伝的特性が組み合わさることで、F1には親よりも優れた特性が現れることがあります。これを雑種強勢といいます。
F1の利点としては、親よりも成長が早く、収量が多い、病害虫に強い、品質が良いなどが挙げられます。また、園芸においては、F1種の苗を購入することで、種まきや育苗の手間を省くことができます。
しかし、F1には欠点もあります。その1つは、F1の種子は採ることができないことです。F1の種子には、雑種強勢が現れないため、その種子から育った植物の品質は、親よりも劣ってしまいます。そのため、F1を栽培したい場合は、毎年新しい苗を購入する必要があります。
もう1つの欠点は、F1は、親よりも高価であることです。F1は、2つの品種の植物を交配して作られるため、その生産には手間とコストがかかります。そのため、F1の苗は、親の品種の苗よりも高価になってしまうのです。
F1の作出方法
F1は、2つの遺伝的に異なる品種を交配させて作られる雑種第一世代のことを指します。F1は、両親の優性形質を受け継ぐため、両親よりも優れている場合が多く、園芸においても、より強健で生育旺盛、収量が多いなどのメリットがあります。
F1の作出方法は、まず、2つの異なる品種の親株を選びます。親株は、交配させたい形質を持っていることが大切です。次に、親株の花粉を交配させたい品種の雌しべにつけます。この作業を人工授粉といいます。人工授粉が成功すると、受粉した雌しべが膨らんで果実になります。果実の中には、F1の種が入っています。F1の種を蒔くと、F1の苗が育ちます。
