園芸の用語『夜冷育苗』について
園芸の用語『夜冷育苗』について
-夜冷育苗とは-
夜冷育苗とは、夜の低温を利用して、植物の生育を促進させる栽培方法です。夜間に気温が下がると、植物は低温に耐えるために、細胞壁を強化したり、糖分を蓄積したりします。これにより、植物は強健になり、病害虫に抵抗力がつきます。また、夜冷育苗は、植物の徒長を防ぐ効果もあります。徒長とは、植物が間延びして、弱々しくなる現象のことです。夜冷育苗を行うことで、植物の成長を適度に抑え、しっかりとした株に育てることができます。
夜冷育苗は、多くの植物に応用できますが、特に効果的なのは、トマト、ナス、キュウリなどの野菜類です。これらの野菜は、夜冷育苗を行うことで、生育が早まり、収穫量が増加します。また、夜冷育苗は、花卉類にも効果的です。花卉類は、夜冷育苗を行うことで、花付きが良くなり、花が長持ちします。
夜冷育苗を行うには、夜の気温が10℃以下になる時期に、ビニールハウスやトンネルなどの施設を使用します。施設内に苗を植え付け、夜間は施設の扉や窓を開けて、外気の冷気を導入します。朝になったら、施設の扉や窓を閉めて、苗を保温します。この作業を繰り返すことで、夜冷育苗を行うことができます。